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ガンとヘルニアと格闘中


by james_with_yuki
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ジェームスの病態について(診断書より抜粋)

セカンドオピニオンとして精査していただいた医療センターの院長先生が診断書を作成してくれました。素人の私達にも親切にわかりやすく説明してくれました。

絶望的な内容だったけど、しっかり受け止めて病気に立ち向かっていくつもりです。

◆検査結果

一般血液検査  : 軽度の貧血

血液化学検査  : 肝酵素軽度上昇

X線検査      : 胸部にしこり、背骨および右肩甲骨に腫瘍の転移

超音波検査   : 内腸骨リンパ節腫脹、心臓内および腹部大動脈血栓

神経学的検査  : 前肢;反応やや低下、力があまり入らない
            後肢;反応消失


◆診 断

1.癌の骨及び腹腔内リンパ節転移 ・・・肛門嚢アポクリン腺癌の疑い

2.胸腔内腫瘍 ・・・悪性リンパ腫、胸腺種が最も疑われる

3.血栓症 ・・・左心房内、腹部大動脈内



◆肛門嚢アポクリン腺癌について

 この癌の特徴としては悪性度が高く、原発巣がとても小さなものでも周囲の軟部組織やリンパ節に転移を起こすことです。
 ジェームスちゃんのように腹部のリンパ節に転移し、そこが腫れていると便の異常や排便が困難になることもあります。また、レントゲン上では肩に腫瘍が転移している所見が認められこれが原因で前肢に力が入らなくなってきたと考えられます。骨への転移は痛みを伴うことが多いです。


◆血栓症

 血栓症とは血液が血管内で固まり血栓を形成し、様々な組織、臓器の血管に詰まる病気です。血栓が血管内で詰まってしまうとその先の臓器に血液が循環しなくなり、その臓器が機能しなくなってしまいます。
 ジェームスちゃんは悪性腫瘍に関連して血栓が形成されている可能性が第一に考えられます。


◆胸腔内腫瘤

 胸の中にある腫瘍は様々な種類の腫瘍の可能性が考えられますが、ジェームスちゃんのように胸の前方的に腫瘤が認められる場合は胸腺種か縦隔型リンパ節の可能性が高いとされています。
 胸腔内に腫瘍があると胸に水がたまりやすくなり、呼吸が苦しくなりやすい状態に陥ることがあります。


◆今後の方針

 ジェームスちゃんの場合、既に腫瘍が全身に転移している可能性が非常に高いため、根本的な治療は難しく、原発巣である肛門嚢を摘出する外科手術は適応外となります。
 骨への腫瘍転移の痛みは痛み止めで緩和してあげることがある程度可能です。この痛み止めは最初は非麻薬系の鎮痛剤を使用していき、それで痛みが緩和できなくなってきたら麻薬系鎮痛剤の使用を考えていきます。
 血栓症に対しては副作用が少なく、血栓症を溶かす作用があるサプリメントを使用していきます。
ジェームスちゃんの余命は短いと推測されますが、少しでも苦痛を少なくする方針を考えてあげたいと思っております。


ジェームスの病態について(診断書より抜粋)_d0110867_12342026.jpg
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by james_with_yuki | 2013-02-08 10:43 | 癌の闘病記録